こんにちは、なかぜんです。
最近、こんな声をよく耳にします。
「Accessってもう古いんじゃない?」
「クラウド時代にローカルDBはどうなの?」
「VBAって今でも通用するの?」
たしかに、クラウドやWebアプリの進化によって、Accessの立ち位置が変わってきているのは事実です。でも「Accessはもう終わり」と言うのは早計。
この記事では、現役でAccessを業務に使っている私が、「Accessの今後の使いどころ」について、実例やコードを交えながらやさしく解説していきます。
Accessはなぜ「まだ使える」のか
1. ローコードで業務アプリがすぐ作れる
Accessの最大の魅力は、Excelと似た操作感でデータベースアプリが作れること。VBAを使えば、細かな業務フローの自動化も可能です。
2. 小規模・中規模業務にはちょうどいい
社員数10人〜50人くらいの中小企業であれば、Accessで業務を支えることが十分に可能です。費用対効果も◎。
3. データの可視化・帳票出力に強い
AccessはフォームやレポートといったUI部品が強力。帳票レイアウトをGUIで編集でき、印刷プレビューやPDF出力も一発です。
現場で「こんなふうに使ってます」実例
営業日報の入力・集計アプリ
Accessで営業日報を入力するフォームを作成し、集計はクエリとレポートで自動化。
' 入力フォームの保存ボタンで使用
Private Sub btn保存_Click()
If IsNull(Me.txt日付) Or IsNull(Me.txt営業担当) Then
MsgBox "日付と営業担当は必須です。", vbExclamation
Exit Sub
End If
DoCmd.RunCommand acCmdSaveRecord
MsgBox "保存しました!", vbInformation
End Sub
ポイント解説:フォームに入力された情報を保存し、入力漏れがないかをチェック。VBA初心者でもすぐに理解できる構文です。
レポートで1週間分を自動印刷
' ボタンクリックで週間レポートをPDF出力
Private Sub btn印刷_Click()
DoCmd.OpenReport "週間レポート", acViewPreview, , "週番号=" & Me.txt週番号
DoCmd.OutputTo acOutputReport, "週間レポート", acFormatPDF, "C:\Reports\週報.pdf"
End Sub
帳票をPDFとして出力する例。印刷業務も自動化できます。
Accessの注意点とよくあるミス
- マルチユーザー同時編集は非推奨:1つのファイルを複数人で編集するとロックや競合が発生しやすいです。
- テーブル設計をExcel感覚でやらない:正規化を無視すると後でクエリが複雑化します。
- バックアップを自動化していない:定期的なバックアップはVBAでスケジュール化しておきましょう。
Accessの応用ポイント
1. Access × Excel の連携
AccessのデータをExcelへ出力すれば、集計やグラフ化が簡単。
' クエリ結果をExcelに出力
DoCmd.TransferSpreadsheet acExport, acSpreadsheetTypeExcel12Xml, _
"Q_月別売上", "C:\Reports\月別売上.xlsx", True
2. Access × Power Automate
Access側でファイルを出力し、Power AutomateでTeams通知やメール送信に連携することで、ワークフロー全体を自動化できます。
まとめ:Accessはまだまだ現役で使える!
今回の記事では、「Accessって今でも使えるの?」という疑問に対して、次のような答えをお届けしました。
- ローコードでアプリが素早く作れる
- 中小企業では十分に現役で活用できる
- 帳票出力や業務自動化の強い味方
たしかにクラウド全盛の今、Accessの役割は少しずつ変わってきています。でも、「その場で動く業務アプリ」を作る手段として、Accessは今も十分に戦える選択肢です。
次にやってみよう!
もしあなたが「Accessを少しでも触ったことがある」なら、ぜひ簡単な業務アプリから作ってみましょう。帳票の自動出力や、フォームによる入力制御など、少しずつ「業務に効くツール」が作れるようになりますよ。
今後も、なかぜんブログでは「Accessを使いこなすための知恵と技」を発信していきますので、お楽しみに!
