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オンメモリ処理 vs クエリ処理の性能比較|Access上級者のための実践テクニック

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Access
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こんにちは、なかぜんです。

「大量データの処理が遅くてイライラ…」そんな経験ありませんか?
Accessでは、処理方式によってパフォーマンスに大きな差が出ます。特に オンメモリ処理クエリ処理 の違いは知っておきたいところ。

今回は、業務効率をグッと上げるために、両者の特徴と使い分け、具体的なコード例や注意点をやさしく解説します。

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オンメモリ処理とクエリ処理の違いとは?

オンメモリ処理とは

レコードセットやコレクションにデータを一括で読み込み、VBAの中でループ処理などを行う方法です。処理の柔軟性が高く、条件分岐や複雑なロジックにも対応できます。

クエリ処理とは

Accessのクエリ(SQL)を使ってデータを抽出・更新・集計する方法です。SQLエンジンに処理を任せるため、単純な集計や抽出では非常に高速です。

実例:10000件のデータ処理で速度比較

たとえば「売上明細」テーブルから、合計金額を条件で抽出したい場合、以下のような2通りの方法があります。

オンメモリ処理の例

' オンメモリで集計
Dim rs As DAO.Recordset
Dim db As DAO.Database
Dim total As Currency

Set db = CurrentDb
Set rs = db.OpenRecordset("SELECT * FROM 売上明細")

Do While Not rs.EOF
    If rs!商品区分 = "A" Then
        total = total + rs!金額
    End If
    rs.MoveNext
Loop

rs.Close
Set rs = Nothing
Set db = Nothing

MsgBox "商品区分Aの合計:" & total

解説:全件を一度メモリに読み込んでからVBAで条件分岐。複雑な条件やループ処理が必要なときに効果的です。

クエリ処理の例

' SQLで集計
Dim rs As DAO.Recordset
Dim sql As String

sql = "SELECT SUM(金額) AS 合計 FROM 売上明細 WHERE 商品区分='A'"
Set rs = CurrentDb.OpenRecordset(sql)

MsgBox "商品区分Aの合計:" & rs!合計

rs.Close
Set rs = Nothing

解説:SQLで直接合計を出すことで、データベース側で最適化された処理が実行されます。単純な集計なら高速です。

パフォーマンス比較と使い分けのコツ

方式メリットデメリット
オンメモリ処理柔軟な処理が可能
複雑な条件やルールに強い
データ量が多いと遅くなる
メモリ消費が大きい
クエリ処理シンプルな処理は高速
SQLエンジン最適化の恩恵
柔軟な処理には不向き
処理の流れがSQLに依存

👉 **ポイント**:
– 単純な条件・集計 → クエリ処理
– 条件が複雑 or 複数回参照が必要 → オンメモリ処理

よくあるミスと注意点

  • クエリ処理の過信:複雑な条件を無理にSQLで書くと逆に遅くなる
  • メモリ不足:大量データをオンメモリで処理するとOut of Memoryになることも
  • レコードセットのクローズ忘れ:パフォーマンスや不具合の原因に

応用:ハイブリッド方式のすすめ

実務では、一部のデータをクエリで絞り込んでからオンメモリで処理する方法が最もバランスが取れています。

Dim rs As DAO.Recordset
Dim sql As String

sql = "SELECT * FROM 売上明細 WHERE 商品区分='A'"
Set rs = CurrentDb.OpenRecordset(sql)

Do While Not rs.EOF
    ' 複雑なロジックや計算処理をここで実行
    rs.MoveNext
Loop

このように「まず絞る→次に処理する」が鉄則です。

まとめ:目的に応じて最適な手法を選ぼう

今回は「オンメモリ処理 vs クエリ処理」の違いと使い分けについて、実例を交えて解説しました。

  • 単純な集計はクエリが速い
  • 複雑処理はオンメモリが得意
  • 両方の良さを組み合わせたハイブリッド方式が◎

Accessの処理速度を左右する大事なポイントなので、ぜひプロジェクトに活かしてみてください。

それでは、また〜。なかぜんでした。