こんにちは、なかぜんです!
Accessで作った業務システム、便利だけど「他拠点でも使いたい」とか「クラウド化して共有したい」という声、最近よく聞きます。
実は、Accessでも工夫次第でクラウド環境に対応できるんです。
今回は、Accessシステムのクラウド化の基本から、実際の設定方法、注意点までをやさしく解説していきます。
これを読めば、きっと「自分でもできそう!」と感じていただけるはずです。
Accessクラウド化の選択肢
1. OneDriveやSharePointを使う
Accessファイル(.accdb)をOneDriveやSharePoint上に置いて共有する方法です。
複数人での閲覧・編集ができますが、注意点も多く、フォームやレポートの同時操作には向きません。
2. フロントエンド/バックエンド分離型+VPN
バックエンド(データ)を社内サーバーなどに置き、フロントエンド(画面側)だけをユーザーPCで動かす方法です。
VPN(仮想専用回線)を通すことで、外出先からのアクセスも可能になります。
3. SQL Server + Accessフロントエンド
中級者以上におすすめなのがこちら。
データはクラウド上のSQL Serverに置き、Accessはそのデータを参照するフロントエンドとして動作します。
これにより、安定性・速度・同時接続性能がグッとアップします。
SQL Serverと接続する基本構成
ODBCでの接続例
Accessからクラウド上のSQL Serverに接続するには、ODBCドライバを使うのが一般的です。
Dim conn As Object
Set conn = CreateObject("ADODB.Connection")
conn.ConnectionString = "Driver={ODBC Driver 17 for SQL Server};" & _
"Server=tcp:myserver.database.windows.net,1433;" & _
"Database=myDB;" & _
"Uid=myUser;" & _
"Pwd=myPassword;" & _
"Encrypt=yes;TrustServerCertificate=no;"
conn.Open
上記のコードは、VBAから直接SQL Serverに接続する例です。
クラウド上のSQL Server(例:Azure SQL)に接続し、SELECTやINSERTといった処理を行うことができます。
Accessクラウド化の注意点
1. ファイルの同時編集はできない
Accessファイル自体をクラウドに置いても、同時に開けるわけではありません。
あくまで「バックエンドを共有」し、「フロントエンドは各自のローカル」に配置する構成が推奨です。
2. 通信が不安定だと不具合が出る
クラウドとの通信が不安定だと、レコードの保存ミスやフリーズが起こることがあります。
SQL Serverを使う場合も、接続エラー処理を丁寧に書くことが重要です。
3. セキュリティ対策が必須
インターネット経由でアクセスするなら、SSL/TLSの暗号化やVPNの導入を強くおすすめします。
特に業務データを扱う場合は慎重に設計しましょう。
応用:Power AppsやPower Automateとの連携
Accessシステムを進化させたい方には、MicrosoftのPower Platformとの連携もおすすめです。
- Power Apps: モバイル対応の画面をノーコードで作れる
- Power Automate: Accessに登録されたらメール通知、自動処理など
データのバックエンドにSharePointやDataverseを使えば、クラウド上でもAccessに近い操作感を保ちながら発展できます。
まとめ:Accessの可能性をクラウドで広げよう!
今回は「Accessシステムのクラウド化」について解説しました。
- Accessファイルのそのまま共有は危険。バックエンド分離が基本。
- SQL Serverを使えば、安全で高速なクラウド化が可能。
- Power Platformと組み合わせれば、さらに柔軟な展開が可能。
Accessはローカルツールというイメージが強いですが、ちょっとの工夫でクラウド時代にも対応できます。
「外出先から使いたい」「支社でも共有したい」そんなニーズに応える第一歩を、ぜひ踏み出してみてください!
それでは、なかぜんでした!
