こんにちは、なかぜんです。
「長年Accessで管理してきたアプリ、そろそろクラウド対応したい。でもPower Appsって本当に代替になるの?」
こんなお悩み、ありませんか?
本記事では、Accessを使いこなしている皆さんに向けて、Power AppsでAccessライクなアプリをどこまで作れるかを解説していきます。
AccessとPower Appsの違いと共通点
Accessの強みとは?
Accessはフォーム、テーブル、クエリ、レポートといったUIとデータベースが統合された開発環境です。ローカルPCや社内ネットワークでの運用が得意で、VBAを使ったカスタマイズ性も魅力です。
Power Appsの基本
一方、Power Appsはクラウドベースで動くアプリ作成プラットフォーム。Microsoft DataverseやSharePoint、SQL Serverと連携できます。
主な違いとして、Power Appsはノーコード/ローコード志向で、AccessのようなVBAではなく、Power Fxという関数ベースの式で制御します。
Access画面をPower Appsで再現してみよう
フォーム設計イメージ
たとえば「受注管理」の単票フォーム。Accessならテキストボックスやコンボボックスを並べて、ボタンで操作…という構成でした。
Power Appsでも似たようなUIを作ることは可能です。以下はその再現例です。
画面構成イメージ
- フォーム画面:注文日、顧客名、商品名、数量
- 一覧画面:ギャラリーで表示(DataTableも可)
- 保存ボタン:DataverseやSharePointにデータ追加
Power Fxコード例:保存ボタンの処理
Patch(
Orders, // Ordersはデータソース
Defaults(Orders),
{
OrderDate: OrderDateInput.SelectedDate,
Customer: CustomerDropdown.Selected.Value,
Product: ProductDropdown.Selected.Value,
Quantity: Value(QuantityInput.Text)
}
)
解説:このコードは、入力された注文情報をOrders
というデータソースに追加する処理です。Patch()
関数が「レコード追加」の役割を果たします。
Accessの代替として使うときの注意点
VBAは使えない
Power AppsではVBAは使えません。ロジックはPower Fxで記述します。複雑なループ処理やデータ連携は、Power Automateとの組み合わせが必要になることもあります。
レポート機能がない
Accessにあるレポート(印刷向け帳票)の機能はPower Appsにはありません。PDF出力などはPower Automate+Wordテンプレートで代替する必要があります。
パフォーマンス制限
SharePointやExcelをデータソースにする場合、500件の制限や委任問題(Delegation)が発生する可能性があります。DataverseやSQL Serverの利用がおすすめです。
応用:Power Automateで業務を自動化
AccessではVBAで自動処理を組んでいた部分を、Power AppsではPower Automateで補うことが可能です。
例:注文登録時にTeams通知
- Power Appsでデータ登録
- Power Automateでトリガー検知
- Teamsのチャンネルに「新しい注文が登録されました」通知
Accessでは難しかったクラウド連携も、Power Platformを活用すれば自然に組み込めるようになります。
まとめ:AccessからPower Appsへ
Accessの代替として、Power Appsは十分なポテンシャルを持っています。ただし、「完全コピー」は難しく、
- ロジックの記述方法(VBA→Power Fx)
- 帳票機能(レポート→Power Automate+Word)
- フォームの柔軟性
といった違いを理解して設計することが大切です。
次のステップ:まずは小さなアプリから
いきなりすべてを移行するのは大変なので、「1画面・1機能」からPower Appsで作ってみるのがおすすめです。
以上、なかぜんでした。
