こんにちは、なかぜんです。Access や VBA で業務アプリを作っていらっしゃる皆さん、こんなお悩みはありませんか?「見た目は作れたけど、操作しているうちにどこ押せばいいのか迷ってしまう…」「使っているうちに『ここ、もっと効率よく操作できないかな?』と感じる…」といった声、実は結構多いんですよね。でもご安心ください。この記事では長く使われる業務アプリだからこそ必要な、見やすくて操作しやすい UI デザインの工夫を、上級者視点で丁寧にご紹介します。「ほんとに使える形」で、あなたの業務にすぐ役立つ内容を目指しました。一緒に「使いやすい UI」の世界を楽しみましょう!
1. アプリの目的を明確にし、UI を構成しよう
UI デザインで最も大切なのは、「このアプリが何を達成したいのか」を開発段階でしっかり共有しておくこと。たとえば、データ入力の簡便さが大切なら「入力フォームの整理と操作ステップの短縮」が主課題になりますし、報告書出力が目的なら「読みやすい出力プレビュー・加工のしやすさ」が重視されるべきですよね。
具体的にできること
- 画面フロー図やユーザーフロー図を作り、UI の流れを可視化する
- 目的ごとに分けたモジュール的な UI 構成:入力系 / 編集系 / 出力系など
2. ボタンやラベルの配置は「視線の流れ」に沿って
私たちの視線は、左上から右下へ自然に流れます。特に業務システムでは、重要操作(例:保存・キャンセル・検索)がどこにあるか迷わないように、視線の流れに沿った配置を意識しましょう。
コード例:動的にボタン配置を整える(VBA)
Private Sub ArrangeButtons()
' 保存ボタンを右下に、キャンセルをその左に配置
Me.cmdSave.Left = Me.InsideWidth - Me.cmdSave.Width - 60
Me.cmdCancel.Left = Me.cmdSave.Left - Me.cmdCancel.Width - 10
Me.cmdSave.Top = Me.InsideHeight - Me.cmdSave.Height - 30
Me.cmdCancel.Top = Me.cmdSave.Top
End Sub
このコードは、フォームのサイズに応じてボタンを右下に配置する例です。画面サイズが変わっても〈保存〉〈キャンセル〉が目立つ位置に並ぶので、操作の迷いが減りますね。
3. 入力フォームは「最小限の操作で済む」工夫を
業務入力フォームは、繰り返し作業になりやすいため、いかに少ない動作で済ませられるかがポイントです。タブ順、既定値、ショートカットキーなどの工夫で効率化しましょう。
コード例:タブ順と既定値の設定
Private Sub Form_Load()
' タブ移動順序を指定
Me.txtCustomerID.TabIndex = 0
Me.txtOrderDate.TabIndex = 1
Me.cmbProduct.TabIndex = 2
Me.txtQuantity.TabIndex = 3
Me.cmdSave.TabIndex = 4
' 既定値として今日の日付を設定
Me.txtOrderDate.Value = Date
End Sub
こうすると、Enter や Tab キーだけでスムーズに入力でき、特に日付などは Today 日付が自動で入るのでとても便利です。「毎回入力するのが面倒…」というユーザーのストレスを減らせますよ。
画面イメージのイメージ(コード解説用)
※実際には WordPress に画像を挿入してください。以下は説明文です。
- フォーム上部に「顧客 ID → 注文日 → 商品 → 数量」のタブ順で配置
- 注文日フィールドには自動で今日の日付が入力されている
- Tab キーまたは Enter キーで次のフィールドへ自然に移動できる
4. 色やフォントは「視認性」と「統一感」で選ぶ
色のメリハリやフォントの使い分けで、重要な部分が自然と目に入る UI にできます。アクセシビリティ(視覚的に認識しやすい)にも配慮しましょう。
- 重要なボタンは「濃い背景+白文字」、補助的な操作は「薄いグレー背景+黒文字」など色に階層をつける
- フォントサイズは、タイトルや見出しは大きめ(12〜14pt)、入力項目ラベルは少し小さく(10〜11pt)などの差をつける
- フォーム全体で使う色・フォントを統一して、散らかった印象を避ける
5. 注意点やよくあるミス
- **配置が固定すぎる**と、モニター解像度やウィンドウサイズの違いでレイアウトが崩れることがあります。動的配置を意識しましょう。
- **タブ順の設定漏れ**で、Tab キー移動が思わぬ箇所に飛んでしまうことがあります。特にフォームを後から改修した際はタブ順の見直しを。
- **色のコントラスト不足**により、目の負担や誤操作の原因に。薄すぎる背景色や薄い文字色にはご注意を。
- **フォントサイズが小さすぎる**と、視認性が落ちて読みづらくなります。年齢層も考慮に入れて設定しましょう。
6. 応用ポイント:動的 UI やユーザー設定対応
ここからはさらに一歩進んだ「使いやすさの応用」です。
テーマ変更や詳細表示の切り替え
ユーザーの好みや業務シーンに応じて、**ダークモード風**や**簡易/詳細フォーム切り替え**を実装するのも上級者らしい工夫です。
Private Sub ToggleDetailMode(isDetail As Boolean)
If isDetail Then
' 詳細モード:ラベルを表示&背景色を濃く
Me.txtDetail.Visible = True
Me.DetailSection.BackColor = vbWhite
Else
' 簡易モード:非表示&背景は薄グレー
Me.txtDetail.Visible = False
Me.DetailSection.BackColor = &H00F0F0F0
End If
End Sub
こうした切り替えにより、初心者向けにも上級者向けにも対応できる柔軟な UI が実現できます。
ユーザー設定の保存
操作環境ごとに、**前回のウィンドウサイズ・入力設定を覚えておく**と、再起動後も同じ見た目・操作感で使えて非常に便利です。たとえば INI ファイルや設定テーブルに保存してロードする実装も考えられます。
まとめ:学べたこと+次のステップ案内
今回の記事では、上級者向けに「見やすくて操作しやすい UI デザイン」のポイントとして、
- アプリの目的に基づく UI 構成
- 視線の流れに沿った配置設計
- タブ操作・既定値での入力効率化
- 色・フォントの統一と視認性
- 注意点:配置の固定化・タブ順・コントラスト・フォントサイズ
- 応用としてのモード切り替え・ユーザー設定保存
となかぜんと一緒に具体的なコード例を見てきました。どれも「あ、実際に使えそう」と感じていただけていれば嬉しいです!
さらに次のステップとしては、
- アクセシビリティ(キーボードナビ、音声読み上げ対応)への配慮
- 他 Office アプリと同様の操作感を取り入れる統一性
- 実際にユーザーテストをしてフィードバックを得ること
などに取り組むことで、UI デザインの質はさらに高まります。ぜひ、自分の業務アプリにどんどん取り入れて「使いたくなる UI」を極めてみてくださいね。
それではまた、なかぜんでした。安心して使える UI があなたの業務をもっと支えてくれますように。
