こんにちは、なかぜんです😊
最近、「AccessのバックエンドをSharePointにしてみたけど、なんか動きが重い…」「レコードが増えるとエラーが出る…」そんなお悩みをよく聞きます。
たしかに、AccessとSharePointの組み合わせは便利そうに見えて、実際の運用では注意すべきポイントもたくさん。
今回は、そんな現場のモヤモヤを解消すべく、SharePoint + Accessの限界とベストな使い方をまとめてみました。
1. Access + SharePoint のメリット
- SharePoint上にデータを置けるため、クラウド共有が簡単
- ローカルネットワークなしでも利用可能
- Office365ユーザー管理と連携しやすい
とくに小規模チームで、テーブルの共有やフォームの入力が主な用途であれば、導入の敷居は低めです。
2. しかし実務では限界も…
2-1. パフォーマンスの壁
SharePointはSQL Serverのようなトランザクション処理に強くなく、数千件以上のレコード操作で極端に遅くなることがあります。
2-2. テーブル構造の制約
Accessの機能と比べて、SharePointリストでは次のような制限があります:
- 参照整合性(リレーションシップ)が制限される
- Yes/Noフィールドが「True/False」扱いで混乱
- 255列以上のフィールドを持てない
2-3. マクロ・VBA連携が限定的
SharePoint上のデータに対してVBAで直接書き込みをする際、一部の更新がエラーや同期失敗になることがあります。
3. ベストプラクティス:どう使えばいい?
3-1. SharePointは「入力受付」専用に
フォーム入力や閲覧など軽量な用途に使い、メインデータは別途インポートする方法が有効です。
' SharePointリストからローカルテーブルに取り込む
DoCmd.TransferSharePointList acImportSharePointList, _
"https://contoso.sharepoint.com/sites/example", _
"社員マスタ", "社員マスタ_LOCAL", True
ポイント:あくまで定期的な取り込みにして、更新はローカルで。
3-2. クエリや集計はローカルで処理
重たい集計処理やJOINをSharePointにさせるとレスポンスが悪化します。
一旦ローカルに取り込んでからクエリ実行するだけでも、かなり改善されます。
3-3. 通信トラブルを見越した処理
ネットワーク接続が切れたときに備えて、On Error Resume Nextによるエラーハンドリングや、接続確認の処理もおすすめです。
On Error Resume Next
DoCmd.TransferSharePointList acImportSharePointList, _
"https://contoso.sharepoint.com/sites/example", _
"商品マスタ", "商品マスタ_LOCAL", True
If Err.Number <> 0 Then
MsgBox "SharePointからの取り込みに失敗しました。ネットワークを確認してください。"
End If
4. よくあるミスと注意点
- テーブルの直接リンクをそのまま使ってしまう
- マルチユーザー更新で「競合エラー」になる
- 列数・データ型の自動変換で意図しない型になる
Accessの設計思想とSharePointの構造が完全に一致していない点を意識しましょう。
5. 応用ポイント:こんな工夫も
- Power Automateと連携してSharePointの更新をトリガーにメール送信
- Power BIと連携して定期レポートを可視化
- SharePointリストをCSVエクスポートして夜間バッチ処理に組み込む
特に「一部だけAccessで手作業、あとは自動化」という役割分担がうまくハマります。
6. まとめ:組み合わせ次第で力を発揮!
Access + SharePointは「すべてを置き換える」のではなく、用途を限定すれば非常に便利です。
- 入力・表示はSharePoint
- 処理・更新はAccessローカル
- 定期的にデータ同期・連携処理
これからAccessとクラウドをうまく組み合わせたい方は、まずは軽い業務でトライしてみるのがベストです。
