Accessフォームでの「非連結設計」のメリットと実装法【上級者向け】

Access
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こんにちは、なかぜんです。
Accessで本格的な業務システムを構築していると、「フォームの動作が重い」「一部のデータしか更新したくないのに全部ロックされる」といった悩みに直面すること、ありませんか?

今回は、そんな悩みを解消できる「非連結フォーム設計」についてご紹介します。業務システムに柔軟性と安定性をもたらすこの設計手法、ぜひ習得しておきましょう!

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非連結フォームとは?

「連結」と「非連結」の違い

Accessのフォームには、コントロールをテーブルやクエリと「連結」させて自動的にデータを反映させる方法が一般的です。一方、「非連結」フォームは、データソースを持たず、すべての入力・出力・更新処理をVBAコードで制御します。

なぜ非連結設計を使うのか

  • パフォーマンスの向上(特に大量データ環境)
  • 複雑な入力制御やバリデーションの実現
  • トランザクション処理による整合性確保
  • 同時編集・ロック競合のリスク低減

非連結フォームの実装方法

フォームの構造設計

データを直接表示するサブフォームなどは使わず、主にテキストボックスやコンボボックスを配置します。フォームの「レコードソース」プロパティは空にしておくのが基本です。

VBAでのロード処理

' 初期表示処理(データ読込)
Private Sub Form_Load()
    Dim rs As DAO.Recordset
    Set rs = CurrentDb.OpenRecordset("SELECT * FROM T_顧客 WHERE 顧客ID = 1")

    If Not rs.EOF Then
        Me.txt顧客名.Value = rs!顧客名
        Me.txt電話番号.Value = rs!電話番号
    End If

    rs.Close
    Set rs = Nothing
End Sub

解説:
フォーム読み込み時に必要なレコードをDAOで取得し、コントロールに手動で値を設定しています。これにより、不要なレコードの読込やロックが発生しません。

保存処理の実装

' 保存ボタンでデータ更新
Private Sub btn保存_Click()
    Dim strSQL As String
    strSQL = "UPDATE T_顧客 SET 顧客名 = '" & Me.txt顧客名 & "', 電話番号 = '" & Me.txt電話番号 & "' WHERE 顧客ID = 1"
    CurrentDb.Execute strSQL, dbFailOnError

    MsgBox "保存しました!", vbInformation
End Sub

解説:
ボタンを使って明示的にUPDATE文を発行しています。ユーザーが意図したタイミングでのみデータが更新されるので、ミスや誤操作の防止にもつながります。

注意点とよくあるミス

  • DAOやSQL発行のエラー処理をしっかり入れること(例:dbFailOnError)
  • トランザクション管理が必要なケースでは、BeginTrans/CommitTransを活用
  • NULL値や未入力状態の考慮を忘れずに
  • 全体の更新対象が明示的であることを意識(誤UPDATEに注意)

応用ポイント:複数フォーム連携や一時保存

非連結設計を活かすと、以下のような応用も可能になります。

  • 複数フォームの連携:フォームAで入力→フォームBで確定など
  • 一時保存と本保存の分離:一時テーブルや配列でステージング管理
  • Excel連携:フォーム内容を即座にExcelへ出力しやすい

まとめ:非連結設計でAccessフォームをもっと自由に

今回は、Accessフォームの非連結設計について詳しく解説しました。

  • 読み込みや保存をVBAで完全コントロールできる
  • ユーザー操作の安全性と柔軟性が高まる
  • パフォーマンス改善にもつながる

非連結設計は最初こそ手間に感じるかもしれませんが、一度身につけるとフォームの設計が格段に自由になります。「今のフォーム、ちょっと使いづらいかも…」と思ったら、ぜひ一部でも非連結方式を取り入れてみてくださいね。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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