こんにちは、なかぜんです。
「Accessで長年使ってきた業務アプリ、でも今後の拡張やセキュリティを考えるとPower Platformに移行すべき?」
そんな風に悩んでいませんか?
Accessはローカルで完結できる軽快なツール。一方、Power PlatformはクラウドベースでモダンなUI・自動化・モバイル対応などのメリットがあります。
でも、完全移行には注意も必要…。今回は現実的なステップで「段階的移行の道筋」をご紹介します!
ステップ1:まずはデータだけDataverseへ移行
AccessのテーブルをDataverseにエクスポート
Microsoft公式機能「Access Dataverse Connector」を使えば、AccessのテーブルをPower Platformの中核であるDataverseにそのままコピーできます。
手順(簡略):
- Accessのテーブルを開く
- リボン「外部データ」→「Dataverseへエクスポート」
- Microsoft 365のアカウントでログイン
- 環境を選んでエクスポート
注意点:
- オートナンバー型 → Dataverseでは「AutoNumber」または「GUID型」
- Yes/No型 → Dataverseでは「Two options」型
- Accessの複数主キー → Dataverseではサポートされていない(1列のみ)
ステップ2:Power Appsでフォーム画面を再現する
Power AppsでAccessのフォームを再構築
Accessで使っていた「単票フォーム」や「連続フォーム」は、Power Appsで再現可能です。
📌 実例:Dataverse上の「顧客テーブル」編集画面
1. Power Apps Studioを開く
2. 「空のキャンバスアプリ」を選択(Phoneレイアウト)
3. データ → Dataverse → 顧客テーブルを接続
4. 「ギャラリー(Gallery)」で一覧表示
5. 詳細は「フォーム(Form)」コントロールでバインド
フォームの保存ボタンのコード例:
SubmitForm(EditForm1)
これだけで保存処理が動きます!AccessでVBAを書いていたような動きが、Power Appsでは関数一発で済みます。
Accessとの違いに注意!
- サブフォーム → 「ギャラリー+リレーション」構成に置き換え
- リストボックス → 「Dropdown」または「ComboBox」
- クエリ的な処理 → PowerFx関数で記述
ステップ3:Power Automateで処理を自動化
Accessで「ボタンクリック時にマクロ実行」していたような操作は、Power Automateでフロー化しましょう。
📌 実例:顧客登録後にTeams通知するフロー
- トリガー:「Dataverseでレコードが作成されたとき」
- アクション:「Teamsにメッセージを投稿」
これにより、「Accessで完結していた業務」が、Microsoft 365の他サービスとつながるようになります。
よくある落とし穴とその回避策
- Dataverseの制限: 2GB以上のデータには注意(Premiumライセンスが必要)
- フォームが遅い: ギャラリーやコントロール数を減らして軽量化
- 印刷帳票: Accessレポートの代替はPower BIまたはPDF出力の工夫が必要
応用ポイント:共存フェーズを活かす
すべてを一気にPower Platformに移すのは大変です。
現実的には「AccessとPower Platformのハイブリッド運用」が安心です。
- Accessはローカル業務の中核に残す
- Dataverseに同期してクラウド共有
- 一部のフォームだけPower Appsに切り替え
まとめ:段階移行がベスト!次の一歩を踏み出そう
今回は「Access → Power Platformへの現実的なロードマップ」をご紹介しました。
- ステップ1:テーブルをDataverseに移行
- ステップ2:Power Appsで画面を再構築
- ステップ3:Power Automateで業務をつなげる
全部を一度に変える必要はありません。Accessの資産を大事にしながら、少しずつPower Platformの力を取り入れていく。その方が、きっと実務に優しい移行になりますよ。
ぜひ、まずはテーブル1つだけでもDataverseに移して、Power Appsで触ってみてくださいね。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
なかぜんでした!
