こんにちは、業務改善ブロガーのなかぜんです。
「ノーコードで何でもできる」は本当?
最近、Power Apps や Notion、Airtable など「ノーコード」「ローコード」と呼ばれるツールが次々と登場していますよね。「Accessはもう古いのでは?」なんて声も耳にします。
でも、実際の現場ではこんなお悩みも多いんです。
- ノーコードで作ってみたけど、細かい条件処理ができない…
- 業務ごとに要件が違って、汎用ツールじゃ足りない…
- 複雑なデータ連携がうまくいかない…
そんなとき、やっぱり頼りになるのがAccessなんです。今回は、ノーコード/ローコードとAccessの役割を整理し、どう組み合わせれば最強の業務改善ができるかを一緒に考えていきましょう。
ノーコード/ローコードツールの得意なこと
1. スピード重視のプロトタイピング
Power AppsやNotionなどのノーコードツールは、GUIで素早く画面を作れるのが最大の魅力。たとえば、社内の備品管理アプリなら数時間で動くものが作れてしまいます。
2. モバイル対応・共有が簡単
Microsoft 365と連携しておけば、誰でもスマホからアクセスできます。SharePointやDataverseと組み合わせればクラウド管理もスムーズ。
3. 非エンジニアにも扱える
専門知識がなくても作成・修正できるのは、現場主導の改善にピッタリです。
Accessの得意なこと
1. 複雑なロジック処理
AccessはVBAが使えるので、たとえば以下のようなコードも自在に書けます。
' VBAでの納期自動計算処理(例)
Private Sub 計算ボタン_Click()
If IsDate(Me.受注日) Then
Me.納期 = DateAdd("d", 5, Me.受注日)
Else
MsgBox "受注日を入力してください。"
End If
End Sub
解説:このコードでは、受注日を基に5営業日後の納期を自動計算します。ノーコードでは難しい「条件付き処理」もVBAなら楽勝ですね。
2. 高速なバッチ処理
1万件以上のデータを一括で更新・集計したいとき、AccessのクエリとVBAの組み合わせは圧倒的なスピードを発揮します。
3. 柔軟な帳票・印刷レイアウト
請求書や納品書など、業務現場で必要な「きれいな印刷物」はAccessのレポート機能が最適です。
ノーコード×Accessのベストな使い分け方
● フロント:ノーコード、バック:Access
たとえば、Power Appsで注文入力→Accessで在庫管理と発注処理というように、役割を分けて使うのがベストです。
画面操作はノーコードで「簡単&わかりやすく」、業務ロジックやデータ処理はAccessにまかせる、という形ですね。
● 共有:ノーコード、個別最適:Access
部署横断の「情報共有」はクラウド系ノーコードツールで、細かい部門業務やローカル処理はAccessの出番です。
よくあるミスと注意点
- Accessだけに頼りすぎて他部署と共有できない(→クラウド連携で補完)
- ノーコードで無理やり複雑処理をやろうとして破綻(→VBAで分離)
- データが重複・整合性がとれない(→リレーションと主キー設計が重要)
応用ポイント:ハイブリッド運用のすすめ
AccessとPower Platformを組み合わせることで、以下のようなことも可能です。
- Accessで生成したレポートPDFをTeamsへ自動投稿
- Power Automateで定期的にAccessデータをクラウドへ同期
- Power BIでAccessデータのダッシュボード化
それぞれの「得意なこと」を理解して組み合わせれば、驚くほど強力な業務アプリが作れます。
まとめ:Accessは「職人の道具」、ノーコードは「汎用ツール」
今回は、ノーコード/ローコードツールとAccessの役割分担について解説しました。
- ノーコードは「素早く・簡単に作れる」が得意
- Accessは「細かく・深く作り込める」が強み
どちらも一長一短。だからこそ、両方を組み合わせることで、あなたの業務改善はもっとレベルアップできます。
📌次のステップは?
AccessとPower Appsを連携する方法や、Power Automateとの連携自動処理など、さらに踏み込んだ活用方法もご紹介していきますね。
「Accessを捨てる」のではなく、「活かす」。これからの時代こそ、そんな柔軟な視点が必要です。
それでは、また次回お会いしましょう。なかぜんでした!
