Accessで帳票PDF化と自動保存処理をマスターしよう！

こんにちは、なかぜんです。

「Accessの帳票をPDFにして保存したいけど、毎回手作業でやってる……」という方、多いのではないでしょうか？

実は、VBAを使えばボタン一つでPDF出力＆自動保存が可能なんです。この記事では、Access上級者の皆さんに向けて、実務で役立つ帳票PDF化＋自動保存処理の具体的な実装方法を詳しく解説します！

帳票PDF化の基本：DoCmd.OutputToの使い方
1. AccessでレポートをPDF出力する基本コード
2. ファイル名を日付で自動生成する例
PDF保存＋ファイル存在チェック付きのVBA例
1. 実用的な保存マクロの全体コード
ボタンクリックで実行！フォーム連携のポイント
【注意】よくあるミスと対処法
応用ポイント：レコードごとのPDF保存（ループ処理）
1. 納品先ごとに1ファイルずつPDFを保存する方法
まとめ：AccessのPDF出力は業務効率化の第一歩
1. 次のステップへ

帳票PDF化の基本：DoCmd.OutputToの使い方

AccessでレポートをPDF出力する基本コード

DoCmd.OutputTo acOutputReport, "R_納品書", acFormatPDF, "C:\Reports\納品書_20240601.pdf"

この1行で、レポート「R_納品書」をPDF形式で C:\Reports\ フォルダに保存できます。acOutputReport は「レポート出力」、acFormatPDF はPDF形式の指定です。

ファイル名を日付で自動生成する例

Dim fileName As String
fileName = "C:\Reports\納品書_" & Format(Date, "yyyymmdd") & ".pdf"
DoCmd.OutputTo acOutputReport, "R_納品書", acFormatPDF, fileName

Format(Date, "yyyymmdd")で日付付きのファイル名を作成しておけば、毎日違うファイルとして保存できます。

PDF保存＋ファイル存在チェック付きのVBA例

実用的な保存マクロの全体コード

Sub ExportReportToPDF()
    Dim rptName As String
    Dim folderPath As String
    Dim fileName As String

    rptName = "R_納品書"
    folderPath = "C:\Reports\"
    fileName = folderPath & rptName & "_" & Format(Date, "yyyymmdd") & ".pdf"

    ' フォルダ存在チェック
    If Dir(folderPath, vbDirectory) = "" Then
        MkDir folderPath
    End If

    ' 既存ファイルがあれば削除
    If Dir(fileName) &lt;&gt; "" Then
        Kill fileName
    End If

    ' PDF出力
    DoCmd.OutputTo acOutputReport, rptName, acFormatPDF, fileName
    MsgBox "PDF保存が完了しました：" & vbCrLf & fileName, vbInformation
End Sub

このコードでは、保存フォルダがなければ自動で作成し、同名ファイルがあれば削除してから保存します。日々の業務でも使える実用的な構成です。

ボタンクリックで実行！フォーム連携のポイント

フォームにコマンドボタンを配置し、上記のマクロを呼び出すように設定すれば、ワンクリックでPDF出力ができます。

Private Sub cmdPDF出力_Click()
    Call ExportReportToPDF
End Sub

フォーム上のボタン名は cmdPDF出力 にしていますが、任意の名前でOKです。CallでVBAマクロを呼び出すだけです。

【注意】よくあるミスと対処法

ファイルパスに日本語を含めない： 一部の環境で文字化けや保存失敗になる場合があります。
フォルダの書き込み権限： 保存先フォルダに書き込みできないとエラーになります。
レポートが開いていると出力失敗： 出力対象レポートが編集中だとエラーになるので注意。

応用ポイント：レコードごとのPDF保存（ループ処理）

納品先ごとに1ファイルずつPDFを保存する方法

Sub ExportEachCustomerPDF()
    Dim db As DAO.Database
    Dim rs As DAO.Recordset
    Dim customerID As String
    Dim fileName As String

    Set db = CurrentDb()
    Set rs = db.OpenRecordset("SELECT DISTINCT 納品先CD FROM T_受注", dbOpenSnapshot)

    Do While Not rs.EOF
        customerID = rs!納品先CD
        fileName = "C:\Reports\納品書_" & customerID & "_" & Format(Date, "yyyymmdd") & ".pdf"
        DoCmd.OpenReport "R_納品書", acViewPreview, , "納品先CD = '" & customerID & "'"
        DoCmd.OutputTo acOutputReport, "R_納品書", acFormatPDF, fileName
        DoCmd.Close acReport, "R_納品書", acSaveNo
        rs.MoveNext
    Loop

    rs.Close
    Set rs = Nothing
    Set db = Nothing

    MsgBox "すべてのPDFを保存しました。", vbInformation
End Sub

このコードは「納品先CD」ごとにレポートを出力し、個別のPDFとして保存していきます。大量の得意先に帳票を配布するケースで非常に便利です。