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Accessアプリの機能単位での分割と統合の考え方

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こんにちは、なかぜんです!

Accessアプリが大きくなってくると、変更の影響が広範囲に及んだり、どこを修正すればいいか分かりづらくなって困った経験、ありませんか?

そんなときに役立つのが、「機能単位での分割と統合」という考え方。今回は、この設計手法について、実際のコードや活用例を交えながら、業務アプリ開発の現場目線で分かりやすく解説していきます。

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1. なぜ機能単位で分割・統合するのか?

1.1 保守性の向上

アプリ全体がひとつの塊になっていると、少しの変更でも思わぬ影響が出ることがあります。機能ごとに分割しておくことで、変更点の影響範囲を明確にでき、メンテナンスが楽になります。

1.2 拡張・再利用のしやすさ

共通処理をモジュール化しておけば、他のプロジェクトでも再利用が可能です。たとえば、エラーログやCSVインポートなどの共通処理を切り出しておくと、新規案件でもそのまま活用できます。

1.3 チーム開発にも対応

各担当者が別の機能を同時に開発できるため、Accessアプリでもある程度の並行作業が可能になります。

2. 分割・統合の具体的アプローチ

機能単位での構成は、以下のように設計します。

  • フォーム単位(例:受注管理・売上集計・顧客マスタ)
  • 共通処理(例:バリデーション・ログ出力・CSV取込)
  • データアクセス層(SQLやレコードセット処理)

2.1 フォームとロジックの分離

フォームにはUI操作のみを記述し、ビジネスロジックは標準モジュールに切り出すのが基本です。

' === フォーム内 ===
Private Sub btnImport_Click()
    Call modImport.ProcessCSV(Me.txtFilePath)
End Sub
' === モジュール(modImport.bas) ===
Public Sub ProcessCSV(filePath As String)
    ' CSVを読み込んでテーブルに保存する処理
End Sub

このようにすると、UIを変更しても処理本体は影響を受けず、逆もまた然りです。

3. よく使う分割対象の実例と解説

3.1 バリデーション処理の分離

' === モジュール modValidation.bas ===
Public Function IsValidCustomerName(name As String) As Boolean
    IsValidCustomerName = (Len(name) > 0)
End Function

入力チェックをモジュールに切り出すことで、複数フォームで共通化できます。

3.2 レポート生成ロジックの分離

' === モジュール modReport.bas ===
Public Sub GenerateMonthlyReport(startDate As Date, endDate As Date)
    Dim sql As String
    sql = "SELECT * FROM 売上 WHERE 日付 BETWEEN #" & startDate & "# AND #" & endDate & "#"
    DoCmd.OpenReport "rptMonthly", acViewPreview, , sql
End Sub

検索条件の生成やフィルタの切り替えもこのように切り出しておくと、他のフォームからも柔軟に呼び出せます。

4. 注意点とよくある落とし穴

  • 過剰な分割:細かくしすぎると逆に追いづらくなります。「再利用性があるか?」を判断基準に。
  • 依存関係の循環:モジュール間で相互参照してしまうと、構造が複雑になってデバッグが困難になります。
  • 命名ルールの不統一:「mod〜」「frm〜」などのプレフィックスで整理しましょう。

5. 応用:モジュールの再利用やバージョン管理

5.1 モジュール単位での再利用

汎用性の高いモジュールは、他のアプリにも簡単にコピペで流用できます。

5.2 モジュールエクスポートとGit連携

モジュールを.bas.clsとしてエクスポートし、バージョン管理ソフト(Gitなど)で履歴管理すれば、変更の追跡や差分比較も可能です。

5.3 Access Add-Inへの拡張

よく使う処理群をAdd-Inとして登録しておけば、ボタン一発で呼び出せる仕組みにすることも可能です。

6. まとめ:機能ごとに分けるからこそ、Accessアプリは育つ

Accessアプリも設計次第で、長く保守しやすく、柔軟に成長できるツールになります。

今回の内容をまとめると:

  • 機能単位での分割により、保守性・拡張性・再利用性が向上する
  • フォームにはUIだけ、処理はモジュールへ分離するのが基本
  • よく使う処理は共通モジュール化し、バージョン管理と連携も視野に

まずは、ひとつのフォームの処理だけでもモジュール化してみてください。やってみることで、きっとその効果を実感できるはずです。

「あ、自分にもできそう!」と思ったあなた、次は既存アプリのリファクタリングから始めてみましょう!応援しています 😊